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ハーゲン弦楽四重奏団とゲルシュタイン
ザルツブルク、8月28日の記録です。
古くなってしまい、時間が前後しますが投稿します。
今夜はハーゲン弦楽四重奏団にピアノのキリル・ゲルシュタイン(と読めばいいのですか?Gerstein ロシア人です)が加わった室内楽の夕べに行ってきました。ショスタコービッチの弦楽四重奏第3番ヘ長調、Op. 73, ゲルシュタインの独奏で「ブラームスのパガニーニの主題による変奏曲」、Op. 35、さらにブラームスのピアノ五重奏曲、Op. 34を聴きました。 手を抜くわけではありませんが、感想としてはすべて完璧、これ以上望むのは無理という域に達した演奏でした。すでに最初のショスタコービッチの演奏後から大喝采がわき起こるほどでした。 ゲルンシュタインはちょっとおでこが広くなってしまったので老けて見えますが、かなり若そうです。「パガニーニ」のほうは、もう少しシャープな切れ味が欲しかったところですが、でも各変奏の性格をよく表現した、何といってもヴィルトゥオーゾ的立派な演奏でした。 後半のブラームスのピアノ五重奏をゲルシュタインだけは暗譜で弾いていました。とにかくピアノが好き、弾くのが楽しくてたまらないということが感じられる演奏でした。
そうそう、私はブラームスのピアノ五重奏をデビュー間もないクリストフ・エッシェンバッハのピアノとアマデウス弦楽四重奏団の演奏で覚えました。アマデウス弦楽四重奏団は第一バイオリンがかなり強くて個性的であったため、私はそれをデフォルトで覚えてしまって、他の演奏を聴くと物足りなく感じることがありました。
しかし、ハーゲン弦楽四重奏団とゲルシュタインによる今夜の演奏にはいささかの不満も覚えませんでした。黄金のバランスでした。
私もそろそろベルリンに移る準備をしなければなりません。最初の一週間ばかり病気で寝こんでしまい残念でした。