2014年9月15日月曜日

音楽会めぐりもそろそろ潮時か。

 ジョン・エリオット・ガーディナーの指揮、ロンドンシンフォニーオーケストラ(LSO)の演奏でシューマンのホルン協奏曲とメンデルスゾーンの序曲一つと交響曲「宗教改革」を聴く。現代音楽が多くて必ずしも客の入りのよくないベルリン音楽祭、今夜はガーディナーの登場でぜんぶロマン派。客の入りも上々。

 絶対楽しめると確信していたのだが、実は・・・
 たぶんこういう演奏を歴史的研究に基づいた「ピリオド奏法」の演奏というのだろう。(このピリオド奏法だけは、みんな語っているのに私には何を読んでもさっぱりわからない。誰か本当のことを教えて下さい。)。

 バイオリン弾きでもある私には弦楽器には程度の差こそあれビブラート奏法は必要だと思っている。教会音楽でビブラートかけまくりなんていうのは場違いな気がするけれども、シューマンやメンデルスゾーンでは是非共欲しい。

 今日の「宗教改革」では高い音域ではもっと艶やかで美しい音が欲しかった。弦楽器は、のっぺりした、あまり潤いのない音に終始し、その結果華やかで荘厳な金管楽器に押されて聞こえてこない。「宗教改革」のおしまいのほうの管楽器によるコラールは圧倒的にすばらしかった。しかし弦が頑張るところが何かものたりない。

 ホール中央の一番よく音の集まる席できいたが、弦楽器だけ舞台上で鳴り、ホールに響き渡らない。管楽器の音は十分にホールの上からも前からも四面の壁からも降って来た。

 そういえば昨日のエートヴェーシュ指揮のベルリンフィルも弦の音がひどく小さくて「これがあのベルリンフィル?」と不思議に思った。

 今、新しい演奏流儀で弦楽器に変化が起きているのだろうか?もし、これが主流になるなら、私はたぶんオーケストラの演奏会に行かなくなるだろう。

 今回の長旅も間もなく終わる。16日に行われるトゥーガン・ソキエフ(ソヒエフ)指揮、ベルリン・ドイツ・シンフォニーオーケストラの公演(現代ものひとつと、あとはシューマンとチャイコフスキー)が今回滞在の最後の演奏会である。



 失望しないことを祈る。