2014年8月23日土曜日

ザルツブルク便り(外国で病気になると)

 ザルツブルクに到着してから5日になりました。そのうち2日間、時差ボケと風邪で完全にダウンして寝込んでおりました。こちらの気候は乾燥していて朝夕は寒く(気温が10度前後まで下がります)、昼間に太陽が照ると30度前後まで気温があがり、びっしょり汗をかいてしまいます。

 旅先で病気になると本当に困ります。これがベルリンならすぐにお医者さんを見つけることができるのですが、何しろザルツブルク。インターネットで調べれば開業医は多数みつかるのですが、日本とは医療システムが違うのでそう簡単にふらりと診療所に行って診てもらえるわけではありません。

 去年お世話になった女医さんが良かったのでそこに電話をしてみようと思ったのですが、診療所と先生の名前がどうしても思い出せません。ということでいわゆる一般医(praktischer Arzt, allgemeiner Arzt などと呼ばれます)を紹介してもらおうと近くの薬局に行きました。

 しかし薬剤師さんは、「わかりません。インターネットで調べてください。」
今度はホテルのレセプションできいたところ、ホテルの「かかりつけ医(Hausarzt)」を紹介して下さろうとして電話を入れてくださったのですが、「夏期休暇中」のようでこれもダメ。結局「ネットで調べて電話してみてください。あと、緊急時は144に電話してください。」

 近医を見つけるのがこんなに面倒だとは思いませんでした。結局オペラに行くのを諦めて(ううう、チケット完売の公演だったので残念!)ホテルで寝ることにしました。

 咳がひどくなるようなら明日赤十字病院か大学病院に電話をして近医を紹介してもらおうと思います。しかし、医療機関は予約制ですのですぐに診てもらえるかどうかわかりません。

 外国で病気になると不安なのは言葉の問題です。私は普段から英語とドイツ語で症状を言えるように練習していますが、それは内科の疾患の場合だけで、整形外科などさっぱりわかりません。

 2年前の9月にベルリンで足を負傷した時は、ホテルのコンシエルジュがすぐに近医を紹介してくれたので即刻診療所に駆け込めましたが、困ったのは「ねん挫」ぐらいはともかく、ふくらはぎが痛い、左足の第1指−第3指の間が折れたのではないかと思うほど痛い、と言うのが限界で、それ以上は説明できませんでした。

 すぐに検査をして骨折がないことを確認した上、麻酔注射をバツン、バツンと2本打ってギプスなみの包帯を巻いていただきました。「あなたはArthroseがありますね」と言われてもArthroseが何かわからず説明を求める始末。ああ、関節症ですか。

 約1週間お世話になり、包帯をはずしてサポータを作ってもらって何とか歩けるようになりました。かかった費用は1000ユーロ以上。検査料やサポータ、靴の底敷を作ってもらってこれだけかかりました。旅行保険には入るべきだとつくづく感じました。

 夏になるとザルツブルクだけでなく、あちらこちらで音楽祭が催されますが、多くは山間部の避暑地だったり、電車もローカル線に乗らないと行けないところです。荷物を持って旅行するのが苦手で、かつ怪我や病気の多い私はとても夏の音楽祭など行けそうにないです。ザルツブルクだけは空港があるので来られたのですが、やはり病気になると大変です。

 旅先での病気には普段からまず「言語的に(少なくとも英語をしっかりと、できれば現地語も学習しておく)」、そして「経済的に(保険をかける)」備えておく必要があります。

 というわけで、せっかく夢のザルツブルクに来たのに、風邪をこじらせて寝込んでいます。明日はお目当ての「薔薇の騎士」の公演があるので何とか出かけたいと思います。