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ドレスデン十字架教会合唱団
目下書かねばならないのにまだ一行も書き始められない小論あり。文献の引用の寄せ集めにしないで自分のことばで書きたいのに書けない。そんな時に限ってNHK FMではドレスデン十字架教会合唱団の昨年12月の東京公演の録音を放送している。困った。:-)
この合唱団は来日するたびに聴きに行っているばかりか、ドレスデンまで少年たちの歌声を求めて赴いたこともある。すばらしい歌声だ。かつてカール・リヒターやペーター・シュライアーが歌っていた少年合唱団だ。指導者のクライレさんの熱心さにも心を打たれる。ただ、ライプツィヒ聖トーマス教会合唱団に比べて公報活動がやや少ない気がする。
上記の演奏会の大阪公演は、歌声は美しく、作品は厳かで心にしみるものではあったが、広報不足のためか客席はさびしかった。ザ・シンフォニーホールには半分も客が入っていなかったと思う。
しかし大阪の聴衆にも、数は少なくてもどこまでも暖かい拍手を送り続ける人々がいたのが私にとっては救いだった。
東京オペラシティーでの公演の録音を聴く限り、客席は大阪よりはるかにぎやかなようだ。よかった。
ライプツィヒの聖トーマス合唱団にせよ、ドレスデンの十字架教会合唱団にせよ、日本公演で聴衆を集めようとすればどうしても大きな作品、まさに今演奏されるべき「マタイ受難曲」(バッハ)や「ミサ曲ロ短調」(同)を演目にあげざるを得ないだろう。
もともとキリスト教の素地の薄い日本では日頃から聖歌(讃美歌)やキリスト教にまつわる芸術作品に注目する機会が少ないから仕方がないとは思うのだが、年末の公演の時のように、地味なア・カペラの演奏会もぜひ日本で行ってほしいと思う。
興行的には赤字が出るのかもしれないが...
いや、そういう演奏を聴きたければドイツまで行け、と言われるだろうか?
放送を最後まで聴きたいという誘惑を振り切って、仕事(書き物)をしないと間にあわない。せめて録音でもしておこうか。
ああ、こんな日に限って海外ではあちこちで「マタイ受難曲」を演奏していて、そのライブ中継などもあるのだ。う~ん、バイエルン放送でも「マタイ」を今やっているし・・・だめだめ、仕事。