夕方、CNN International のテレビを「聞いて」いたら突然女性アナウンサーの言っていることがさっぱりわからなくなってしまいました。
耳をすましても聞こえるのは"particle"とか"missing particle(?)"とかだけ。これ、文法の話ではないよね、と思ったものの結局わからず、次に男性がコメントをつけた時にやっと「何やら稀有の現象あるいは物質が見つかったらしい」というところまで行きましたが、やはりあとはギリシャ語なみ。
キッチンでテレビを見ていた夫に、「突然英語が全然わからなくなったよー。私の耳に異常が起きたのかなぁ?」と声をかけてみたら、
「ヒッグス粒子が非常に高い確率で存在することを示す観測結果が得られたんだよ。」
「ヒッグス粒子?」
その後NHKのニュースをきいてだいたい理解しましたが、実は日本語できいても知らない単語がたくさんありました。
そこをNHKの武田アナウンサーがとても上手に説明してくれたので驚きました。
アナウンサーの仕事って大変ですね。いきなり入ってきた科学技術ニュースでもしっかり自分で把握してカメラの前で説明しないといけないのですから。
「イケメン系アナウンサー第一世代」とひそかに私が呼んでいる武田さんは偉い!私ならこんなネタが入ってきたら逃げます。(笑)
あとは、我が家の物理やさんに詳しく説明をしてもらいました。
私の場合、音楽ネタなら英語でもドイツ語でもたいていわかるのですが、科学技術ネタになると一気に理解率が落ちます。要するにバックグラウンドの知識がことばの認識力に大きな影響を与えているわけですね。あたりまえですけど。
ドイツ語の授業をやっていて、文法概念をなかなか理解してもらえないのも、学生さんの言語に関する背景知識が違うからなんですね。
私にとって「格」の概念は大変基本的なもので、ドイツ語、ラテン語だけでなく、それこそフランス語やイタリア語を考えるにも、もしドイツ語ふうに「格」で言うとここは3格(与格)、いや、ラテン語では与格じゃなくて奪格か、というふうに逆にあてはめてしまうのです。
「格」を当たり前と思っている限り、わかっていただける授業はできないのでしょうねぇ。
しかし、私はどうやって格の概念を身につけたのか、それが思い出せません。たぶん大量の文を丸暗記する中で自然に感覚で覚えたように思います。授業では一応格の用法を分類して説明しますが、実はその説明法を文法の教科書を執筆することになるまでよく知りませんでした。
今日覚えた語彙:boson, particle, elementary particles, etc.